オンライン診療の注意点

オンライン診療は、自宅にいながら医者の診療を受けられるシステムです。サービスによっては、処方薬を自宅で受け取ることもできます。忙しくて通院する時間がない人や、健康上の理由から外出によるリスクを避けたい人に人気の診療方法です。
一見すると便利で良いこと尽くめのオンライン診療ですが、残念ながら限界もあります。オンライン診療では実際に治療が行えないため、医師や看護師による医療処置が必要な怪我には不向きです。また、医師による聴診や触診、医療機器を用いた検査も行えません。医師が実際に患部を見る必要があるケースや、精密検査が必要な症状には向いていないでしょう。
そのことから、正しく診療できるケースはオンライン上で診断できる疾患に限られます。パソコンやタブレットなどを用いた診療は、医師と患者の言語によるコミュニケーションが基本です。問診表も、オンライン上で記入をすることになります。もし自力でオンラインツールを操作できない人や、言語によるコミュニケーションが難しい人にとっては、オンライン診療を受けることは困難と言わざるを得ません。
そして、オンライン診療は重症の場合や、緊急の処置や検査が必要な場合にも向いていないのが現状です。軽度の人が自宅から診療を受ける分には大変便利でしょう。ですが、一刻を争う緊急時や、先述したように患者が重傷ですぐに医療処置しなければいけない場合は、対面による診療の方が適切と言えます。