訪問看護師にとって、医師が患者の状態や変化を視覚的に観察して適切な指示を出すことは、患者のQOL向上や治療を行う点ではとても大切です。しかし、場合によっては患者宅にオンライン診療ができるネット環境が整備されていないケースもあり、オンライン診療が難しいことも少なくありません。
患者宅にオンライン診療の環境整備を促すことは、時間的にもコスト的にも労力的にも現実的ではないでしょう。その場合には、訪問看護師がタブレットなどの機器を患者宅へ持ち込むことが、D to P with Nには必要不可欠な前提条件となります。
D to P with Nによるオンライン診療をスムーズに行うには、まず訪問看護師が勤務する訪問看護ステーション側でD to P with Nの環境整備が肝心です。D to P with Nは医師の事前手配となるため、訪問看護師1人につき1台のタブレットが必要というわけではありません。ですが、患者の状況に合わせてさっと使用できる機器は、スムーズなオンライン診療には欠かせません。
訪問看護師自身が、そうした機器の取り扱いに慣れていたり、オンライン診療の進め方を理解したりしていることもD to P with Nでは重要となってきます。ときには訪問看護師ではない、他職種がD to P with Nのオンライン診療に同行する可能性があるからです。細かい点にまで配慮することで、スムーズなオンライン診療を成功に導けます。
在宅医療の現場から D to P with Nのオンライン診療を行うポイント